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TeX for Windows Another Manual Vol.1 Basic Manual, 乙部厳己+江口庄英, SOFTBANK, 1995 記念すべきシリーズ第一作。インプレス社から発売されたTeX for Windowsを「使う」ということをコンセプトに、コンピュータにほとんど触ったことのないような人でもTeXを使えるようになることを目指した。一方で江口氏にMETAFONTの使用法の詳細からWinDviでの使用法まで、今まであまり触れられたことのないトピックについても原稿を書いていただいた。また、TeX for WindowsとLaTeX2eを用いて組み版を行っている。このためのクラスファイルは江口氏がすでに存在したスタイルファイル(X68kのTeX本作成に用いられたもの?)を土台としてLaTeX2e用に作成した。
TeX for Windows Another Manual Vol.2 Extended Manual, 乙部厳己+江口庄英, SOFTBANK, 1995 もともと、このシリーズは一冊で収まる予定であったがページ数増大のため二分冊となった。そのため、TeX for Windowsのオプション的存在について解説を行なった。前半を江口氏に担当してもらい、後半のBibTeX以降を乙部が担当した。TeX2.99ベースであったTeX for WindowsでLaTeX2eを使用する方法についても説明し、新時代への橋渡しとなるように願った。
pLaTeX2e for Windows Another Manual Vol.1 Basic Kit, 乙部厳己+江口庄英, SOFTBANK, 1996 pLaTeX2eシリーズ第一冊。TeX for Windows特有の部分を削ってしまえば相当ページ数に余裕ができると思って油断したため、途中から二分冊に方針変更し、入門的部分に焦点を絞ってまとめた。最終的にはTeX for Windowsシリーズからはほとんど原稿を残すことができず、実質的な書き起こしである。やはりコンピュータに初めて触る人から対象にして、いわゆる通常のLaTeXの使用には必要十分と思われる範囲を述べた。このころから江口氏は姉妹書(Ghostscript)関係などで忙しい生活になり、乙部が独断で内容を決めて執筆した。最終的には編集のかたの大幅な再構成を経て仕上がった。江口氏には無理を言ってMakeTeXPKの説明を書いてもらい、めでたく共著となった。
pLaTeX2e for Windows Another Manual Vol.2 Extended Kit, 乙部厳己+江口庄英, SOFTBANK, 1997 「私が手元においておきたいと願う本」をコンセプトに書いた。LaTeXを使い始めたとき、知りたくてもなかなか得ることのできなかった事柄とは何であったかを思い起こし、そういう事柄に焦点をおいた。TeX for Windowsシリーズと違い、最初から二分冊想定の二冊目であることと、内容面でも気楽にかけるようなところではなくなっていたので、発売まで間隔が開いて多くのお叱りを受けた。基本的な事柄はVol.1で書いたので薄くすむだろうと思って油断したら、予想外の厚さになってしまった。江口氏が多忙の状態が続いていたので新規執筆はほとんど望めず、Tpicの原稿をTeX for WindowsシリーズのVol.2から流用し、WinTpicの使い方については何とか原稿を書いていただいて、めでたく共著となった。
pLaTeX2e for Windows Another Manual Vol.0 Upgrade Kit, 乙部厳己, SOFTBANK, 1997 pTeX2.1.5を導入することを主眼において、インストールプログラム周りの操作性を向上し、インストール作業があまりに簡単に終わってしまうようになった一冊。その分、インストールプログラムのバグ取りに時間がかかった。Vol.1でのgraphicパッケージ周りの解説を、dviout for Windowsのバージョンアップ作業にあわせて大幅に加筆して収録した。また、dvioutの使い方やTeXの環境設定も解説して、シリーズ完結をねらった本である。派手な表紙もここに極まったという装丁である。「Vol.0」なのは、新規インストールの際にはVol.1寄りも前にこちらのインストールプログラムを利用するように注意を喚起する目的がある。AmS-LaTeX1.1が収録されているのは、岩波書店さんがまだこの旧版を使用していることと無縁ではない。(ただし動作チェックはしていない。)
pLaTeX2e for Windows Another Manual Vol.1 Basic Kit 1999, 乙部厳己+江口庄英, SOFTBANK, 1998 Vol.1 BasicKit刊行より2年、その間pLaTeX2eの普及は予想以上に進んだ。この間の発展をふまえた事実上の改訂版。今までの空を基調としてきた表紙のデザインは一転して落ち着きを見せた。ただし、実は今までも空だけではなく、砂浜や海と空という対比があった。今回は「冬空」である。しかしながら、雪景色が目立つ。今までの派手さからいって、「緑色」とも噂されたが、結局のところ、やはり青色の系統が使われた。 Vol.0でうたわれた「シリーズ完結」の夢はあえなく散った。
Ghostscript Another Manual, 江口庄英, SOFTBANK, 1997 明らかなように乙部はまったく関わっていない本であるが、上記シリーズの姉妹編として執筆された。江口氏より一冊頂くことができた。TeXユーザーにとってもぜひとも持っておきたい一冊である。PostScriptファイルが表示できなかったり印刷できないといった悩みはこの本で解決される。「ゴースト」ということで古城に蝙蝠が群れなしているが、薄暗がりに浮かぶ満月が重要。
上記の書籍は原則としてすべてLaTeX2eで作成し、dvipsでPostScriptファイルに変換して出力している。
出力に際しては、イメージセッターを用いて、印画紙ではなく、フィルムに直接出力した。その利点を生かすべく、解像度は2400dpiでの出力である。
TeX for Windowsシリーズのときには、TeX2.99では処理しきれないサイズになっていたため、江口氏が容量を拡張してTeXをコンパイルし直して何とか処理できた。また、変換に用いたソフトはdvipsではなく、jdvi2kpsを用いた。さらに、一部フォントは1200dpiのフォントを用いている。(すべてLinux上で処理)
pLaTeX2eシリーズは原則としてコンパイルしたままdvipsで変換することができたのではあるが、ただでさえ膨大なフォントを登録している上に、Vol.2では更にフォントが山のように使用されている所為もあって、フォント登録数が限界に達するという悲劇的事態も発生した。(TeXのコンパイルのみWindows上で行なっている)
なお、Vol.0およびVol.1 1999は、pstopsを利用して面付けを行なっている。(Linux上での処理)
第二シリーズのシリーズ名は最初「pTeX for Windows」ではどうかという案もあったが、意外にpTeXとはPlain
TeXの略称であると思われていることが多いので、LaTeX2eを強調することにした。