1977年2月1日
- Knuth、初めてタイプセッタを見る。「TeX の起源」(Knuth)。
1977年5月5日
- Knuth、組版の歴史についての調査をし、TeX の設計に着手。
1977年初夏
- Knuth の学生であった Michael F. Plass と Frank M. Liang が Knuth の調査に基づき、下記のコンピュータで最初のテスト版の TeX を作成する。
コンピュータ |
DEC-10 |
OS |
Waits |
言語 |
SAIL |
エディタ |
ETV |
1977年末から1978年初頭
- Knuth, 上記のコンピュータ環境で最初の TeX を記述する。(2月10日朝4時、初のコンパイル完了。)
- Knuth と Frank M. Liang、ハイフネーションの共同研究をする。
1979年初頭
- Luis Trabb Pardo と Knuth 書き直しを開始する。
1979年
- Xerox の Palo Alto 研究所において、Knuth の元学生である Leonidas Guibas・Robert Sedgewick・Douglas
Wyatto らが Tops-20 および Tenex という2つの OS に TeX を移植する
- 4月28日 METAFONT が動作を開始する。
当時の出力環境
- Xerox が試験的に制作した XGP というプリンタを利用。
中心部で 200dpi 周辺部で 180dpi の解像度。 制御用に KI-10 という計算機を使用。
- コンピュータ
36 bit コンピュータを仮定。(移植性はきわめて低かった)
- このころ、多くのユーザが TeX を使用しはじめる。
- Knuth が Alphatype 社の CRS (光学写植機)を購入。
5333 dpi の解像度。
制御用に 8088 のコードを書くため数ヶ月を浪費。「TeX プロジェクト中最大の過ち」(Fuchs)。
- Autologic 社の APS-5 を購入。
720 -- 1440 dpi の解像度
- コンピュータを DEC-20 に変更
- David Fuchs、TeX の出力ルーチンを汎用化するため、DVI コードを提唱。
DVI コード使用を開始。Versatec 社及び Varian 社の静電プリンタ(200dpi)の使用実験開始。
Zilog社の Z80 に 64K バイトのメモリを搭載し、文字のビットマップ化とキャッシュに利用。
- Knuth、アメリカ科学財団・海軍研究所・IBM・システム開発財団に資金援助申請
- アメリカ数学会、TUG Boat 発刊
- Knuth、TeX を商標登録。
- VMS 、IBM VM 等に移植。
1979年から1980年4月
- Ignacio A. Zabala によって Pascal を用いた TeX の完全な実装が終わる。内部データ構造体を 32 ビットに変更し、言語として Pascal を採用。
まだ移植性は低かった。
- Pascal のプログラムを TeX で清書するためのプログラム BLAISE を作成。
BLAISE は「DOC」として完成。
1980/2/22
1982年4月
- Computer Modern フォントの全面改訂
1982年8月22日
- Knuth が TeX78 として凍結。全面的な書き直し作業に入る。
9月9日
- DOC を完全改訂する必要性に気づく。WEB の作成開始。
1982年9月
- Knuth が TeX Version0 を公開。
機能拡張や不具合修正により、Version 0.1, 0.2, ..., 0.9 と進む。
まだ完成せず、結局 Version 0.9999999 まで制作
作業はコンピュータが DEC-20, OS は Tips-20, Waits, VMS で行なわれたが、テストは Tops-20 や Waits
で行なわれた(VMS では他のプロセスのメモリを参照できないため)。
きわめて高い移植性を持つようになる。この後、MS-DOS, UNIX などへも移植されるようになる。
1982年10月 -- 1983 年10月
1983年11月
1983年12月9日
- Knuth、TeX が実用段階に入ったと判断し、Palo Alto の富貴寿司でお祝い。
1983年12月 -- 1984年7月
1984年8月 -- 1985年10月
1985年2月 -- 1985年7月
- Computer Modern フォントを作成し直す。
1985年
- アスキーが Version 1.6 を対象に日本語化を開始。
開発環境:DEC VAX780
OS : BSD UNIX
1986年4月
1986年夏
- キヤノンの川端氏が、日本語を含む文書を一旦変換して TeX に通す方法について提案。大野氏がマクロ方式の実装(jTeX)を提案し実装。さらに、マクロで実装されていた前処理を
TeX 本体に組み込む。
1987年2月
- アスキーが日本語 TeX を完成。
開発環境:DEC VAX8600
文字コード:シフトJISのみ(その後、JIS, EUC も使用可能になる。)
1987年5月
1989年6月
1989年9月
- 大規模な拡張を行なった Version 2.992 を完成。
1990年
1992年
1994年
- アスキー「縦組み対応版パーソナル日本語TeX」発売。
1995年3月
- Knuth、現在最後の版である Version 3.14159 を公開。
1995年
注:
1992年以降は主に Karl Berry によって、さらに 1997年9月以降は Olaf Weber によって機能拡張が行なわれている。